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Don't Go

ロスアンジェルスを舞台に、同じアパートの棟に住むマイノリティたちの暮らしを描いた作品。ポスト『Lの世界』というか、よりリアルで生活感のある普通の同性愛者たちのライフスタイルが活写された正直な映画であった。テレビでのシリーズ化に向けてのパイロットエピソードでもあるらしい。いや、よかったよ。うまくいくといいねえと思います。こういうテーマは作り手が振り回す拳が露骨に見えてしまったり、あるいはセンセーションを狙ってエクストリームに走りがちだから、公平でパラレルな視線を以って撮られた本作はとても好感が持てます。

妊娠していることが判明して困惑するトランスジェンダーのカップル(つまり見た目が男女逆)。実は妊娠した彼女の血を分けた姉であることを隠して友人として付き合っている、スーパーマッチョなレズビアンボディビルダー(スカイラー・クーパー。もう、彼女は男にしか見えない)。ホモフォビックな母親と暮らすレズの黒人女性と、その同居人であるゲイの男性。保守的な中流家庭から逃れてきた男性恐怖症のインド人女性。生活のために娼婦をしているヒスパニックの美人レズビアン。

みんな、ただ同性愛者であるというだけでなく、人種だったり見かけだったり職業だったりジェンダーの混乱だったりと様々な面で二重三重のマイノリティであるところがミソ。儂なんかも英国ではトリプルマイノリティなわけで、いろいろと共感するところもありました。

それにしても会場はやはりレズレズレズビアンの海で、ちょっと居心地悪かった。面白かったのは画面にナイスバデーの美女が登場すると、会場の(一部の)ビアンたちがいっせいにオヤジ声で「うぉう」とうめいたこと。ゲイ映画では、どんなハンサムさんが登場しても「キャー」なんてことはない(むろん心のなかでは叫んでるけど)ので、なるほど彼女らは儂らよりもよほど〝男〟なのだなあと思った次第。ところで、どうしてレズの人たちは外見を過剰にマスキュランに作るんでしょうね。フェミニン系はほんとうに少ない。むしろ若いゲイのほうが可愛い服装をしてる。

『Don't Go』でマッチョレズビアンを演じるスカイラー・クーパー主演の短編『insomnia』も同時上映。ときに人は安らかに眠るために、誰か他の人の体温を必要とする……という小さなエピソード。恋人を失い眠れなくなった女と、父親を失い眠れなくなった女が出会い、そしてともに眠る。恋よりセックスより深く、二人はベッドで結ばれる……。

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