« アスパラガスの温度卵ソース | トップページ | Breakfast with Scot »

Boystown

第22回LLGFF(ロンドン・レズビアン・アンド・ゲイ・フィルム・フェスティヴァル)がスタート。いよいよチケット難が本格化。NFT会員の先行予約開始七時間後にネットからアクセスしたら、もはやオープニングとエンディングのガラ作品は売り切れ。なんやっちゅうねん。そのわりに今年のプログラムは過去数年に比べると、いまいちメリハリがないというか面白みに欠ける感じ。とかなんとか文句をいいながら何やかやと10本くらいは観ることになりました。

で、第一弾がこれ『Boystown』。スペイン映画。ちょっとイギリスのイーリングスタジオものを思わせる殺人事件の絡んだブラックコメディでした。原題は『Chuecatown』。マドリッドのゲイディストリクト、チュエカ地区が舞台だから『チュエカ・タウン』。このままでいいのに、なんでこんな英題にしちゃったんだろ。一般公開を狙ってるのかな。まあ、その気持ちもわかんなくはない。確かにゲイでなくても愉しめる作品に仕上がっていいました。

近ごろチュエカ地区では老女ばかりを狙った殺人事件が起こっていた。犯人は、ここを「若くて」「リッチで」「お洒落で」「スリムで」「センスがよい」あり得べきゲイのためだけの街にしようという野望に取り憑かれた不動産屋のアンちゃん。家の買収に応じない彼女らを殺して権利を買い取り、あり得べきゲイたちに相応しいスタイルに改造して転売しているのだった。そこに登場するのが中年熊カップル。彼らはノタノタのんびり、ベッドの上でX-Menごっこなどしながら幸せに暮らしていた。

物語は彼らの隣に住む老女が不動産屋に殺され、彼女が熊カップルの一人に住んでいたマンションを遺していたことが発覚するところから始まる。彼は件の不動産屋へ物件を売ることを拒否。そのかわりに自分の母親を呼び寄せ住まわせたのだ。ところが、この母親というのがトンでもないトラブルメーカー。ワガママでエキセントリック。自分の息子の恋人熊が大嫌い。ことあるごとに仲を裂こうとする。そのせいで二人は険悪になり、それに乗じて不動産屋が姦計を張り巡らせる……。

とまあ、そんな内容なので気楽に笑って最後まで楽しめます。けど笑いながら様々な感慨が頭をかすめてゆく作品でもありました。結局のところ、愛する者ふたりにとって幸福の形というのはあり得べきスタイルなんかに規定されるものなんかではないのだ。そんなことに気づきます。

実際に、チュエカ地区は非常に垢抜けた〝ゲイの街〟になりつつあるわけだけど、ゲイゲットーが必ずしもファッショナブルである必要なんてないんだよね。それよりもゲイも含めた老若男女様々な人々が助け合いリラックスして共存しあっている場所であることのほうがよほど大切。当たり前のことだけど自分と異なる者に対して排他的になったら、そのときからゲイも差別者の仲間入りをしちゃうんだよね。とか。

それにしても『Bear Cub (Cachorro)』といい、スペインの熊シーンはかなりポピュラーなようで。主人公カップルのペポン・ニエト(固太り髭熊)とパブロ・ピュイオル(ガチムチ)、どっちもかーわーいー。X-Menごっこに儂もよっけてほしーいー。ともあれクライマックスの発展サウナでのアクションシーン(とか書くと、なんか違う想像されそうだけど)をもいちど観るためにDVDを買わなくちゃ。

« アスパラガスの温度卵ソース | トップページ | Breakfast with Scot »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。