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The Magic Flute

ケネス・ブラナーの新作オペラ映画。オペラ原作の映画ではなく、映画化したオペラ。『魔笛』が現在の英国オペラ界のトップによって演じられます。タミーノがジョセフ・カイザー、パパゲーノがベンジャミン・ジェイ・デービス、夜の女王にリボフ・ペトロワ、コベントガーデンでもなかなかここまでのキャストは望めません。

えーっとね、儂は好きですね。ブラナー本人のオペラに対する思い入れみたいなものがすごく感じられて、キモチのよい仕上がりになってました。得意の長回しで序曲の流れるあいだ途切れなくカメラを移動させてオペラの世界に観客を導入してゆくところは、いままでの彼のベスト作品『から騒ぎ』の夢のような冒頭シーンには及ばないまでも見事。美しいです。

個人的には駄作とはいわないまでも『魔笛』そのものはモーツァルト作品のなかではバランスの悪い不恰好なオペラだと思ってます。が、その、わちゃわちゃと要素を詰め込んだ万華鏡のような構造構築は外連に満ち満ちて心を浮き立たせずにはいられません。ブラナーはそこんところを非常に上手に掴まえてます。

あと、特筆すべきは映画用にリリックを英訳したスティーブン・フライ。詞のアレンジは、ひょっとしたら『Me and My Girl』以来? でも、やっぱ天才やわ。この人。この映画を観て「ドイツ語でない『魔笛』なんて」と馬鹿にする人は(オペラファンに結構いそう←偏見)、よほど英語のセンスがないんでしょうね。言葉の音への乗せ方が尋常でなく上手い。まさに職人技。きっと英語というものの性質を知り尽くしているんだろうなあ。

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